六つの景観を兼ね備えた名園 金沢「兼六園」
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岡山の後楽園、水戸の偕楽園とならんで、日本の三名園といわれるのが
金沢市の兼六園です。
江戸時代、加賀藩の庭園として造られ、四季折々、すばらしい景観を見せ
てくれます。冬の「雪吊り」などは、日本を代表する初冬の風物詩といえる
でしょう。
春の桜も、見事で、シーズンには、たくさんの県内外の観光客でにぎわい
ます。石川城も含めて、商用撮影には、事前の許可が要りますので念の為。
さて「兼六園」の名前の由来について、兼六園公式ホームページから教えて
もらいましょう。
リンク元は、↓こちらです。↓
すぐれた景観の代名詞「六勝」
<六勝とは、[宏大(こうだい)][幽邃(ゆうすい)][人力(じんりょく)]
[蒼古(そうこ)][水泉(すいせん)][眺望(ちょうぼう)]のこと。
宋の時代の書物『洛陽名園記(らくようめいえんき)』には、「洛人云う
園圃(えんぽ)の勝 相兼ぬる能わざるは六 宏大を務るは幽邃少なし
人力勝るは蒼古少なし 水泉多きは眺望難し 此の六を兼ねるは 惟湖園
のみ」という記述があります。
その伝えるところは、以下の通りです。
「庭園では六つのすぐれた景観を兼ね備えることはできない。広々とした
様子(宏大)を表そうとすれば、静寂と奥深さ(幽邃)が少なくなってし
まう。人の手が加わったところ(人力)には、古びた趣(蒼古)が乏しい。
また、滝や池など(水泉)を多くすれば、遠くを眺めることができない」
そして、「この六つの景観が共存しているのは湖園(こえん)だけだ」と
結ぶのです。すばらしい景観を持した庭園として賞された湖園。兼六園は、
この湖園に似つかわしく、六勝を兼ね備えているという理由から、文政5年
(1822)、奥州白河藩主・松平定信によってその名を与えられました。>
なるほど、すべてにおいて優れた庭園というのは、なかなかないものだ、
ということですね。
人間でも、すべての面で優れている人、というのは、なかなかありません。
長所もあれば、短所もある。得意もあれば、不得意もある。得手もあれば、
苦手もある。みんな、そうです。
短所を直していく努力も不可欠ですが、同時に、長所をどんどん伸ばして
いくこともたいせつです。欠点の克服ばかりでは、ややふさぎがちな人も、
長所を伸ばすように縁を与えると、俄然、張り切る人もあります。
子供の教育でも、そうですし、会社や団体での、適材適所ということにも
この「長所を伸ばす」という考え方、大事なことだと思います。
最後に、理系に関心ある方へ、情報デス。
池の噴水は有名ですが、実はこれ、高台にある霞ケ池から、管で引いただけで、
その池と、この噴水との「位置エネルギーの差」だけを利用して、水が吹き上が
っているものです。したがって、吹き上がる高さは、ちょうど、霞ケ池の水面の
高さまで、ということになっています。ということは、霞ケ池の水位が変われば
噴水の吹き上がる高さも変わる、ということです。
日本最古の噴水といわれていますが、なかなかハイテクな噴水です。