京都・御室の桜
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御室桜(おむろざくら)の名で知られる、京都御室仁和寺の桜です。
ここは、真言宗の寺ですので、あくまで、桜を撮影するためだけに
立ち寄りました。
仁和寺(にんなじ)の本尊は、阿弥陀如来坐像です。
阿弥陀如来なら、真宗の人もお参りしてよいのでは、と思われるか
も知れませんが、そうではありません。
ピンと来た方もあるでしょうが、ここの阿弥陀如来は「坐像」です。
座っておられる阿弥陀様です。
浄土真宗では、たとえば絵像、木像の阿弥陀如来像でお分かりのよ
うに、立像、立っておられる阿弥陀様です。
その違いは、どこにあるのでしょうか。
座っておられるのは、たとえて言えば、お医者さんが病院で患者さん
を診察している、いわゆる「宅診」のようなものです。具合が悪かった
ら、どうぞいらしてください。診察しましょう、ということです。
しかし、ほんとうに具合が悪い時には、病院まで行くことができない。
そんな重病の患者さんへは、お医者さんは「往診」をします。
ちょうど立っておられるのは、この「往診」にあたります。
欲や怒りの煩悩にけがれ、悪しか造れないのが十方衆生(すべての人間)
と見抜かれた阿弥陀如来。それは、ちょうど、とても病院まで来ること
などできない、重病人のような者だと、私たちの姿を見てとられたので
ありました。
そこで、阿弥陀如来のほうから、私たちのほうへと、ちょうど往診して
くださっているのが、立っておられる阿弥陀様なのです。
座っておられるのは、だから、本当の阿弥陀様ではないということです。
ただ、しかし、桜はとってもキレイでしたので、撮影してきました。
ご了承ください。