上野公園 動物園も有名ですが こんな悲話も
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不忍池から、細い道路を挟んで高台となっているのが、上野公園で、
こちらも、桜の名所です。美術館、博物館、など、さまざまな文化的
施設が、この一帯に集まっていますが、中でも、上野といえば「動物園」
というくらい、パンダで有名になり、地方からわざわざ見に行かれた方
も多いのではないでしょうか。かく言う私も、親子で行きました。
ただ、最近は、パンダはいなくなって、少々入園者数も減少ぎみだ
とか。それと、見せ方がうまくて面白いと評判の、旭山動物園に急追
されているとも言われます。
とはいえ、毎年200~300万人の入園者というのは、すごい数です。
さて、明るい桜のショットのあとで、暗い話でなんですが、上野動物園
といえば、避けて通れない話が、しかも子供でもよく知っている話があり
ます。絵本では「かわいそうな ぞう」(金の星社)となっています。
昭和11年、上野動物園のヒョウが逃げ出し、14時間後に無事捕獲された
のですが、「猛獣が逃げ出したら、大変だ」という教訓を残しました。
やがて、太平洋戦争が始まり、緒戦こそ連戦連勝でしたが、やがて戦局
は不利になり、本土空襲も激化すると、上野動物園も爆撃されるかも知れ
ないということが、危惧されるようになりました。
実際、ベオグラード空襲では、猛獣が街に逃げ出しパニックになりました。
日本でも、いつ同じようなことになるか、わかりません。
ライオンやクマなどの猛獣は殺処分され、残る心配は、象だけになりま
した。しかし、薬品を注射しようとしても、針は折れるし、毒入りのエサ
を出しても、吐き出してしまって、なかなか処分できません。
しかたないので、エサを一切与えず、餓死させることになりました。
ところが、おなかがすいた3頭のゾウは、教え込まれた芸をすれば、
エサをもらえるかと思って、一生懸命、芸をしたのでした。
しかし、飼育係は、一切エサを与えませんでしたので、とうとうジョン、
トンキー、ワンリーの3頭は、餓死していったのでした。
この事件は多くの人に影響を与えました。
例えば、ラジオ「秋山ちえ子の談話室」では、8月15日には毎年、
この絵本を朗読されていました。
戦争がもたらす、さまざまな悲劇の一つです。